浜松市浜名区引佐町にある「浜松市地域遺産センター」は、地域に残る貴重な文化財や歴史遺産を守り伝えるための施設です。
特に井伊氏に関する資料が充実していて、映像や音声による紹介もあり、井伊氏の成り立ちから詳しく学べます。戦国の動乱を乗り越え、井伊家がどのようにして歴史の表舞台に立ったのかを、わかりやすく体感できる展示内容となっています。
すぐ近くには、「井伊谷城跡」もあります。小高い山の上に位置する城跡は、整備された散策路になっており、登ると井伊谷の町並みを一望できる気持ちの良い展望スポットです。
浜松市地域遺産センター
かつて引佐町役場として使われていた建物は、現在「浜松市地域遺産センター」として活用され、地域の歴史や文化を伝える場となっています。
「戦国の井伊谷」常設展
井伊谷という地名の由来ともなった井伊氏の歴史を、地理的背景とともに深く学ぶことができます。戦国の世を生き抜いた井伊家の歴史は、女性領主として話題を集めた井伊直虎や、徳川家康に仕え「徳川四天王」の一人に数えられた井伊直政を中心に、地域に根付く文化や歴史を今に伝えています。
井伊谷戦国絵巻/映像と音声による解説
井伊直虎の生涯や井伊谷周辺の歴史をジオラマ(立体模型)に映像を重ねた技術、プロジェクションマッピングと音声解説により、地域の地理や歴史を迫力たっぷりに、わかりやすく学ぶことができます。
城跡の推定復元ジオラマ
当時の井伊谷城とその周辺の様子を知ることができます。井伊谷城跡を訪れるなら、ここはぜひご覧ください。かつての城の姿を思い浮かべながら、自然と気分も高まります。
井伊谷城跡
浜松市地域遺産センターから歩いて約5分で、井伊谷城跡の登り口に到着します。山頂まではおよそ330メートル。道は整備されていますが、勾配が急なため歩きやすい靴での訪問がおすすめです。
当日の気温は30度近く。4月下旬とは思えないほどの暑さで、登り始めてすぐに汗が噴き出します。
山頂までの道のりには、途中に2か所のベンチ付き休憩所がありますが、何とか立ち止まることなく歩き続け、10分足らずで山頂に到着。
案内板より
井伊谷城はこの地の領主である井伊氏が築いた山城です。標高約115mの山頂に、単郭式の曲輪が築かれています。山頂の北半分は自然の地形を残し、南半分は平らに均されています。曲輪の周りには土塁がめぐり、南側と西側に出入口をもちます。南側の出入口は大手に、西側の出入口は搦め手に相当します。大手口の両側には土塁が高く築かれており、防御を固めています。井伊氏の本拠地は、井伊谷城とその麓にあった城館に加え、最終的な詰め城である三岳城(井伊谷城の北東2kmに所在)で構成されていました。
江戸時代の記録によると、井伊谷城は「御所の丸」と呼ばれていました。南北朝の動乱期(1336〜1392)に、南朝方の拠点として宗良親王(後醍醐天皇の皇子)を擁した場所と関連づけられていたことがうかがえます。
山頂は小さな広場になっています。テーブル付きのベンチもあり、ピクニックにもおすすめです。注目は、眼下に広がる井伊谷の景色。歴史ある街並みを一望できる、絶好のビューポイントです。
浜松市地域遺産センターへのアクセス
浜松市地域遺産センター概要
所在地
〒431-2295 浜松市浜名区引佐町井伊谷616-5
公式Facebook
休館日
毎週月曜日(祝日の場合翌平日)、12月29日から1月3日
開館時間
午前9時から午後5時
入館料
無料
駐車場
60台収容(無料)
浜松で生まれ育ってぼちぼち半世紀。幼少の頃、浜松市内から引佐郡(当時)に引っ越し、あまりの田舎っぷりに衝撃を受ける。でもそんな自然豊かな浜松が大好きです。浜松市のものごとを実際に行って、見て、聞いて、ていねいにお届けします。