旧勝坂小学校

編集班 ヤソハチ

長く続いた2020年の梅雨明け早々に、春野町にあるピンク色の木造校舎「旧勝坂小学校」に行ってきました。
この建物の存在を知ったのは浜松市民にはおなじみの「広報はままつ」2019年4月号の表紙でした。(しずおかイーブックス)半世紀…近く浜松市市民をやっていますが、こんな“いいとこまんじゅう”があったなんて…。
ここにはピンク色の校舎が映える緑がきれいな時期に行きたい、と思い早一年。やっと訪問することができました。

春野町国道362号線を北上して、途中水窪方面の389号線に入ります。
ここから旧勝坂小学校までの約8kmは1車線分の道幅しかない箇所が続くなど、なかなかの酷道です。

躊躇なくトンネルに突入するおばちゃんライダー。

389号線に入ってすぐにトンネル(小石間隧道)が見えてきます。どう見ても1車線分の車幅しかなく、「対向車が来たらどうしよう…」と躊躇してしまいます。中間地点にすれ違うことができる待避場所がありますが、対向車が来ていないか注意して侵入しましょう。
※小石間隧道/気田森林鉄道(木材を搬出するために設けられた産業用鉄道)のものを車道に転用したトンネルだそうです。

清流で知られる気田川ですが、この日は梅雨明け直後ということもあり残念ながら水が濁っていました。

気田川沿いを北上すること15分。赤い吊橋と緑に囲まれたピンク色の校舎が見えてきました。

この吊橋は車で通ることも可能で、橋のつきあたりを左に進んだ道路が小学校の裏側につながっているので車で校庭に入ることもできます。
おすすめは、つきあたりを右に進んだ石畳のコース。通学路であったであろう石垣に囲まれた小道も情緒があります。

つきあたりを右に進むとすぐに石畳の坂道があります。

当時の子供たちは夏になると気田川と校庭をつなぐこの道を何度も往復したのでしょうか。

木造校舎

青い空と深緑とのコントラストが鮮やかな2階建ての木造校舎(登録有形文化財)
1956年に開校しましたが、わずか12年後の68年に旧豊岡小学校に統合されたことにより閉校となりました。現在は「勝坂公民館」として地域の活動拠点として活用されています。

1956年開設にしては外壁がきれいだと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?それもそのはず、地元有志の方の手で2013年に開校時と同じ色で塗り直されています。地域のシンボルとして大切に残していきたいという想いが伝わってきます。

軒天までピンク色!二階に出入り口?なぜ…。

校舎の西側が道路とつながっています。校舎だけでなく、校庭の植栽もよく手入れされていました。

イチョウの大樹

今回の訪問で木造校舎と同じくらい印象に残った校庭にあるイチョウの木。この場所は夏に訪れるのがベストだと思っていましたが、これだけの大樹が紅葉した風景が見たくなりました。 

案内板参照/勝坂自治会館のイチョウ

【春野町名木百選 No.52】


私たちの生活に深いかかわりを持った緑町民に親しまれ、後世に残したい名木


樹齢/不明


樹高/24.0m


胸高直径/1.15m

さいごに

ここ旧勝坂小学校から389号線をさらに北上したところにある、気田川沿いの渓谷「明神峡」は紅葉が有名で、見頃となる11月上旬〜中旬には多くの方が訪れる人気のスポットとなっています。春野町勝坂にお越しの際にはぜひ合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

この記事の寄稿者

編集班 ヤソハチ

浜松で生まれ育ってぼちぼち半世紀。幼少の頃、浜松市内から引佐郡(当時)に引っ越し、あまりの田舎っぷりに衝撃を受ける。でもそんな自然豊かな浜松が大好きです。浜松市のものごとを実際に行って、見て、聞いて、ていねいにお届けします。

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